中尺パターの打ち方|グリップ・ストローク・アンカリングなし安定化

2026年9月4日更新 | ゴルフハック編集部

3パットが止まらない、ショートパットで手が動いてしまう、距離感が合わない。パターだけで1ラウンド38〜40打を叩いてしまう方は少なくありません。そこで選択肢として浮上するのが「中尺パター」です。ただ、2016年のアンカリング禁止ルール以降、中尺パターは「グリップエンドを体に固定できない」という制約の中で使う道具になりました。この記事では、アンカリングなしで中尺パターを安定させるためのグリップ、アドレス、ストローク、長さ選び、そしてスコア帯別の導入判断までを、ゴルフハック編集部が整理して解説します。個人差はありますが、手先の余計な動きを減らしたい方には有力な選択肢になり得ます。

中尺パターとは何か|長さ・重量・分類の3つの基準

まず用語の整理からです。パターは長さによって大きく3つに分類されますが、境界線はメーカーによって多少ゆれがあります。おおよその目安として以下のように理解しておくと、店頭でも試打の場面でも混乱しません。

長さによる3分類の目安

分類 長さの目安 グリップエンドの位置 主な狙い
ショート(通常尺) 32〜35インチ 体から離れる 手元の自由度・繊細な距離感
中尺(ミッド) 36〜44インチ 腹部・胸下あたり 手先の動きを抑える・支点の安定
長尺(ロング) 45〜50インチ 胸〜あごの下 上半身の縦振り・大きな支点

一般に中尺と呼ばれるのは36〜44インチ、特に売れ筋は38〜41インチのゾーンです。身長170cm前後の方であれば38〜40インチあたりが最初の試打候補になりやすい範囲です。

重量とバランスの違い

中尺パターは長さが増える分、シャフト重量とヘッド重量の関係が通常尺と変わります。単純に長くするだけではバランスが軽くなり手先で操作しやすくなってしまうため、多くのモデルはヘッド重量を350〜400g前後に増やしています。通常尺のブレード型が330g前後、マレット型が340〜360g前後であることを考えると、中尺は総じて重い設計です。

この重さは慣れるまで「振り遅れる」感覚を生みますが、慣れるとヘッドの重さが振り子の推進力になり、手で打ちにいく必要が減るというメリットに変わります。

ヘッド形状の傾向

中尺用のヘッドはマレット型・大型マレット型が主流です。理由は明確で、長い分だけストロークの振り幅が小さくなり、ヘッドの慣性モーメントで直進性を担保したいためです。ブレード型の中尺も存在しますが、フェースの開閉を意図的に使いたい上級者向けの選択と考えたほうが無難です。

補足・参考

2016年1月施行のゴルフ規則改訂により、クラブまたは握った手を意図的に体に固定(アンカリング)するストロークは禁止されました。中尺・長尺パター自体は禁止されておらず、体に固定しなければ使用可能です。詳細はR&A/USGAの規則14-1bおよび現行規則10.1bを参照してください。

アンカリング禁止で何が変わったか|4つの実務的影響

「中尺パターは使えなくなった」という誤解が今も残っています。実際に禁止されたのはクラブや手を体に固定する行為だけで、道具そのものは合法です。ただ、固定できない前提でセッティングと打ち方を組み直す必要があります。

影響1:グリップエンドを腹に押し当てられない

従来のベリーパター的な使い方、つまりグリップエンドを腹部に押し込んで支点を作る方法は使えません。グリップエンドは体から数センチ浮かせる、あるいは触れる程度で押し当てないのが基本です。触れているだけでも「意図的に固定している」と判断される可能性があるため、明確に浮かせておくのが安全策です。

影響2:前腕を体に付ける形も要注意

手を握った状態で前腕を胸や腹に押し付ける形も、規則上はアンカリングと判断されるリスクがあります。一方で、上腕が自然に体側に沿っている状態は問題になりません。線引きが微妙な領域なので、競技に出る方は所属倶楽部の競技委員に確認しておくと安心です。

影響3:支点を「自分の体幹」で作る必要がある

物理的な固定点を失った代わりに、胸骨の中央あたりを支点とみなして肩の回転で振る、という感覚が必須になります。ここが中尺パターの技術的な核心です。この記事の後半で詳しく扱います。

影響4:長さの選び方が変わった

アンカリング時代は「腹に届く長さ」が正解でしたが、現在はグリップエンドが腹部の手前3〜10cmで止まる長さが目安になります。結果として、以前より1〜2インチ短めを選ぶ方が増えています。

注意

プライベートラウンドであれば厳密なルール適用は求められませんが、月例競技やハンディキャップ査定ラウンドではアンカリングは2打罰(マッチプレーではホールの負け)となります。中尺を導入するなら最初から固定しない打ち方で身に付けておくほうが安全です。

中尺パターのグリップ|代表的な5つの握り方

中尺パターの成否はグリップで7割決まると言っても大げさではありません。長い分だけ両手の距離が離れ、上下の手の役割分担が明確になります。代表的な握り方を整理します。

1. スプリットハンド(セパレートグリップ)

左手(右打ちの場合)をグリップの最上部に、右手を15〜25cm下げて握る方法です。中尺パターで最も採用率が高い握り方といえます。上の手は支点、下の手は振り子の推進役という分担になり、手首のコックが物理的に起きにくいのが最大の利点です。

デメリットは肩のラインが開きやすいこと。右手を下げるほど右肩が前に出やすいので、アドレスで肩のラインを目標に平行に保つ意識が必要になります。

2. クロスハンド(レフトハンドロー)

左手を下、右手を上に握る方法です。左手首が甲側に折れにくくなり、フェースが開きにくい傾向があります。中尺と組み合わせると振り幅が非常に安定しますが、慣れるまで距離感が出にくいという声も多く聞かれます。ショートパットのミスに悩む方には試す価値があります。

3. クロー(クロウ)グリップ

左手は通常握り、右手を鉛筆を持つように上から添える方法です。右手の押し込み(プッシュ)が抑えられるため、イップス傾向がある方の選択肢になります。中尺との組み合わせでは右手の添え位置が高めになるので、シャフトが立ちすぎないよう注意が必要です。

4. アームロック

グリップを左前腕に沿わせ、左腕とシャフトを一直線に近い状態で構える方法です。中尺(38〜40インチ)と親和性が高く、フェースローテーションを最小化できます。ただし前腕に「押し当てる」動作が強いとアンカリング判定のリスクが出ます。腕に沿わせるだけで押し込まないのがポイントです。専用のロフト角(6〜8度)が必要になるモデルもあります。

5. 両手密着の通常グリップ

中尺でも両手を通常通り密着させて握る方法です。長い分だけ手元が高くなり、シャフトが立った構えになります。ヘッドの重さを感じやすくストロークがゆったりしますが、手首の自由度は残るため手先のミスは完全には消えません。中尺の恩恵を最大化したいなら1〜4のいずれかを推奨します。

グリップ 手首の抑制力 距離感の出しやすさ 向いている悩み
スプリットハンド 非常に高い 中 手打ち・引っ掛け
クロスハンド 高い やや低い ショートパットの押し出し
クロー 高い 中〜高 右手の押し込み・イップス傾向
アームロック 非常に高い 中 フェースの開閉が大きい
両手密着(通常) 中 高い タッチ重視・微調整したい

編集部の一言

編集部で3週間試した限りでは、スプリットハンドは1m以内の成功率が上がりやすく、通常グリップは10m超のロングパットの距離感が残りやすいという傾向が見られました。どちらが正解というより、自分がどのミスを消したいかで選ぶ話です。

アドレスの作り方|中尺で崩れやすい4つのチェックポイント

中尺パターは長さがあるため、通常尺と同じ感覚で構えると必然的に前傾が浅くなり、ボールとの距離も変わります。ここを整理しないまま打ち始めると「なんとなく合わない」で終わってしまいます。

チェック1:前傾角度は通常尺よりやや起こす

グリップエンドが腹部付近まで来る長さなので、通常尺のように深く前傾するとグリップが体に当たります。背筋を伸ばし、股関節から20〜30度程度の前傾を目安にしてください。目線はボールの真上ではなく、やや後方から見下ろす形になります。

チェック2:ボール位置は左目の下からやや左

中尺はストロークが縦振りに近くなるため、最下点がやや前方に来やすい傾向があります。ボール位置は左目の下、あるいは半個分左を目安にすると、アッパー軌道でヒットしやすく転がりが素直になります。

チェック3:グリップエンドと体の距離は拳1個分

アンカリング回避のため、グリップエンドと腹部の間に拳が1個入る程度(7〜10cm)の隙間を作ります。この隙間はストローク中も維持するのが重要で、隙間が消える動きは体に寄せている=固定に近づいているサインです。

チェック4:肩のラインを目標に平行に

スプリットハンドやクロスハンドを使うと、下の手を下げた側の肩が前に出やすくなります。鏡や動画で肩のラインを確認する習慣を付けてください。肩が開いた状態だとストローク軌道がアウトサイドインになり、引っ掛けや押し出しが出やすくなります。

ストロークの3原則|アンカリングなしで振り子を作る

中尺パターの打ち方2026年完全ガイド|アンカリングなしで安定させるグリップ・ストローク解説 - ストロークの3原則|アンカリングなしで振り子を作る

固定点がない中尺パターで安定を得る鍵は、支点を体幹に置き換えることです。ここが理解できると中尺の本来の恩恵が出てきます。

原則1:支点は胸骨中央、動くのは肩と胸郭

グリップエンドを固定できないなら、代わりに胸骨の中央(ネクタイの結び目あたり)を仮想の支点とみなします。この点を動かさず、肩甲骨と胸郭の回転だけでクラブを振る。手首も肘も基本的に角度を変えません。

感覚としては「肩でシャフトを押す・引く」に近い動きです。腕で振ると必ず手首が入るので、腕は肩に付いているだけの棒と考えます。

原則2:振り幅は左右対称、テンポは1対1

中尺はヘッドが重いため、バックストロークを大きくしすぎると戻りが速くなり距離が合いません。バックとフォローの振り幅を左右対称にし、時間配分も1対1を目指します。メトロノームを毎分76〜80に設定して「タン・タン」で合わせる練習が有効です。

原則3:ヘッドの重さに逆らわない

中尺のヘッド重量350〜400gは、通常尺より20〜60g重い設定です。この重さを「感じながら落とす」感覚で振ると、インパクトで手が緩みにくくなります。逆に手で加速させようとすると重さが暴れてフェースが開閉します。

距離の目安 振り幅(片側) 意識するポイント
1m以内 5〜8cm フェース面を動かさない・打ち急がない
2〜3m 10〜15cm 左右対称・テンポ一定
5m 18〜25cm 肩の回転量を増やす(腕で足さない)
10m以上 30cm以上 上半身全体で回す・下半身は静かに

※振り幅の数値はグリーンの速さ(スティンプ8〜10フィート想定)や個人の体格で変わります。あくまで相対的な目安として、自分の基準を練習グリーンで作ってください。

長さの選び方|身長別の目安と3つの測定法

中尺パターで最も失敗しやすいのが長さ選びです。長すぎるとグリップエンドが体に当たり、短すぎると中尺の恩恵が出ません。

測定法1:立位でグリップエンド位置を確認する

アドレスを作った状態でクラブを構え、グリップエンドが腹部の手前で止まるかを見ます。体に触れる長さは1インチ短くするのが基本判断です。

測定法2:ストローク中の隙間維持テスト

実際に10回連続でストロークし、グリップエンドと腹部の隙間が保たれているかを動画で確認します。途中で当たるなら長すぎます。

測定法3:スプリット幅から逆算する

スプリットハンドを採用する場合、上下の手の間隔(15〜25cm)を確保できる長さが必要です。グリップ長が短いモデルだと物理的に握れないため、グリップ装着長も確認してください。

身長 推奨長さの目安 備考
160〜165cm 36〜38インチ 前傾が深い方は短め寄り
165〜172cm 38〜40インチ 最も選択肢が多いゾーン
172〜178cm 39〜41インチ 腕が長い方は+0.5インチ検討
178cm以上 41〜43インチ 長尺との比較検討も

個人差はありますが、上記は前傾20〜30度・スプリットハンド想定の目安です。アームロックを選ぶ場合は前腕の長さが支配的になるため、必ず試打で確認してください。

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悩み別の対処法|中尺で解決しやすい5つのミス

中尺パターは万能ではありません。得意なミスと苦手なミスがはっきり分かれます。自分のミス傾向と照らして判断してください。

ミス1:ショートパットの押し出し・引っ掛け

1m以内で手が動いてしまうタイプには、中尺の効果が出やすい傾向があります。特にスプリットハンドまたはクロスハンドとの組み合わせで、インパクト直前の手首の動きが物理的に起きにくくなります。

ミス2:ストロークのテンポが速すぎる

緊張すると打ち急いでしまう方は、中尺のヘッド重量が自然にテンポを落としてくれます。重いヘッドは速く動かせないため、意識せずゆったりしたリズムになりやすいのです。

ミス3:フェースの開閉が大きい

アームロックまたは大型マレット型の中尺が候補です。両手の距離が離れる、あるいは前腕に沿わせることでローテーションが抑えられます。

ミス4:ロングパットの距離感が合わない

これは中尺が苦手な領域です。振り幅が小さくなるため、10m超の距離では感覚を作り直す必要があります。中尺導入後1〜2か月は、練習グリーンで長い距離の振り幅を再構築する時間を確保してください。

ミス5:ラインの読み・アドレスの向き

これはパターの長さでは解決しません。中尺に変えてもラインの読み違いや構えの向きのズレは残ります。道具で解決できるのはストロークの再現性までという前提を理解しておくと、期待値のズレによる失望を避けられます。

注意

中尺パターに変えたからといってパット数が必ず減るわけではありません。慣れる過程で一時的にパット数が増えるケースも珍しくありません。競技シーズン直前の切り替えは避け、オフシーズンや練習量を確保できる時期に試すことをおすすめします。

スコア帯別の導入判断|110台・100台・90台での考え方

同じ中尺パターでも、スコア帯によって優先順位は変わります。

110台:まずパット以外の改善余地を確認

スコア110台の場合、パット数は35〜40打程度が一般的です。数字上は改善余地が大きく見えますが、この層はグリーンに乗るまでの打数が多く、アプローチとティーショットの安定が先というケースが多数です。パター自体に強い違和感やイップス傾向がある場合を除き、中尺の優先度は高くありません。

100台:3パット削減の手段として有効

スコア100前後になるとパット数は33〜36打程度。ここから2〜3打削るための手段として中尺は現実的な選択肢です。特に1m前後のショートパットを外す回数が1ラウンド3回以上ある方は、試打してみる価値があります。

90台:タッチとの両立が課題

90台の方はすでにパット数30〜33打程度で、ある程度の距離感を持っています。この層が中尺に変える場合、既存のタッチを壊すリスクとストロークの安定を得るメリットを天秤にかける必要があります。1m以内の失敗が多いなら中尺、ロングパットの寄せに不満があるなら通常尺の見直しという整理が実務的です。

スコア帯 平均パット数の目安 中尺導入の優先度 先に取り組むべきこと
110台 35〜40打 低〜中 ティーショットの方向性・50yd以内のアプローチ
100台 33〜36打 中〜高 1m以内の成功率・距離感の基準作り
90台 30〜33打 中 ラインの読み・ロングパットの寄せ精度
80台 29〜32打 個別判断 プレッシャー下での再現性

練習ドリル5選|中尺に体を慣らす手順

中尺パターの打ち方2026年完全ガイド|アンカリングなしで安定させるグリップ・ストローク解説 - 練習ドリル5選|中尺に体を慣らす手順

中尺パターは道具を替えただけでは機能しません。ストロークの型を作る練習が必要です。以下は編集部で実際に試した順序です。

ドリル1:隙間キープドリル(1週目)

グリップエンドと腹部の間にタオルやグローブを軽く挟まず「浮かせた状態」で、素振りを50回。目的は隙間を維持したまま肩で振る感覚を作ることです。動画で横から撮影し、グリップエンドが体に近づいていないか確認します。

ドリル2:50cmタッチドリン(1〜2週目)

50cmの距離を20球連続でカップイン。狙いは距離感ではなくフェース面の安定です。20球連続が入るまで距離を伸ばさないのがポイントです。

ドリル3:メトロノーム同調ドリル(2〜3週目)

毎分76〜80に設定し、バックストロークで1拍、インパクトで次の1拍。中尺のヘッド重量に合ったテンポを体に入れます。テンポが安定すると距離のばらつきが減りやすくなります。

ドリル4:振り幅キャリブレーション(3〜4週目)

練習グリーンで1m・2m・3m・5m・8mの5点を設定し、それぞれの振り幅を記録します。中尺は通常尺より振り幅が小さくなるため、この作り直しが最重要工程です。

ドリル5:3ボールプレッシャードリル(4週目以降)

1.5mの距離で3球連続カップイン。失敗したら最初からやり直し。緊張下でストロークが崩れないかを確認します。

週 ドリル 1回の目安時間 確認ポイント
1週目 隙間キープ・50cmタッチ 20分 グリップエンドが体に触れないか
2〜3週目 メトロノーム同調 20〜30分 左右対称・テンポ一定
3〜4週目 振り幅キャリブレーション 30分 距離ごとの振り幅を記録できたか
4週目以降 3ボールプレッシャー 15分 連続成功できるか

上達スピードには個人差があり、上記の週数はあくまで一例です。体格やこれまでのストロークの癖によって前後します。

中尺パターの選び方|確認すべき6つのスペック

1. 長さ(36〜44インチ)

前述の身長別目安を出発点に、必ず試打で確認します。可能であればカット調整に対応してくれるショップを選ぶと後の微調整が楽になります。

2. ヘッド重量(350〜400g)

重いほど手先の操作が減りますが、ロングパットで戻りが遅く感じる場合もあります。ウェイト交換式のモデルであれば後から調整できます。

3. ロフト角(2〜4度、アームロックは6〜8度)

通常尺の標準は3度前後。アームロックのように手元が前に出る構えでは実効ロフトが減るため、専用の大きめロフトが必要です。グリップの握り方とロフト角はセットで考える必要があります。

4. ライ角(68〜72度)

中尺は手元が高くなるため、通常尺よりアップライト(72度前後)の設定が合いやすい傾向があります。ソールが浮くならライ角が合っていません。

5. グリップの太さと長さ

スプリットハンドを使うなら装着長が長いモデル(17インチ級のパドル型など)が扱いやすいです。太さは手首の動きを抑えたいなら太め、タッチを残したいなら細めが基本的な考え方です。

6. ヘッド形状とトゥハングの関係

ストロークがストレート寄りならフェースバランス、弧を描くならトゥハング型が合いやすい傾向があります。中尺で縦振りに近くなる場合はフェースバランスのマレット型が無難です。

スペック 一般的な範囲 迷ったときの初期設定
長さ 36〜44インチ 身長×0.23前後を起点に試打
ヘッド重量 350〜400g 370g前後
ロフト角 2〜4度 3度
ライ角 68〜72度 71〜72度
グリップ長 10〜17インチ スプリットなら15インチ以上
バランス特性 フェースバランス/トゥハング フェースバランス

補足・参考

パターの長さ・ロフト角・ライ角の適正値は、身長だけでなく腕の長さ、前傾角度、目の位置で変わります。数値は出発点として使い、最終判断は必ず実際のグリーンまたは計測機器付きのフィッティングで行ってください。

中尺から通常尺に戻すべき3つのサイン

導入したものの合わなかった、というケースもあります。以下のサインが2か月以上続く場合は再検討の余地があります。

サイン1:ロングパットの3パットが増えた

1m以内は安定したが5m超の寄せが極端に悪化し、トータルのパット数が増えているケースです。振り幅の再構築が進んでいない可能性が高いため、まずはドリル4を集中して行い、それでも改善しないなら通常尺に戻す判断も合理的です。

サイン2:構えるたびにグリップエンドを気にしている

アンカリング回避を意識しすぎてストロークに集中できない状態です。長さを1インチ短くする、あるいは通常尺の重ヘッドモデルで代替する選択肢もあります。

サイン3:肩や首に痛みや張りが出る

長い分だけ構えが起き、肩の可動域を使う動きになります。体の状態に合わない場合は無理をせず、通常尺またはやや短い中尺(36〜37インチ)を検討してください。

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よくある質問

中尺パターは今のルールでも使えますか?
使えます。2016年に禁止されたのは「クラブや握った手を意図的に体に固定する(アンカリング)」ストロークで、中尺・長尺パターそのものは合法です。グリップエンドを体から浮かせて構え、ストローク中も触れないように打てば問題ありません。競技に出る場合は所属倶楽部の競技委員に確認しておくと安心です。
中尺パターは何インチを選べばいいですか?
身長165〜172cmなら38〜40インチ、172〜178cmなら39〜41インチが最初の試打候補になりやすい範囲です。ただし腕の長さや前傾角度で変わるため、実際にアドレスしてグリップエンドが腹部の手前7〜10cmで止まる長さを基準に選んでください。体に触れる長さは1インチ短くするのが基本判断です。
グリップはどう握るのが一番安定しますか?
中尺で採用率が高いのはスプリットハンド(両手を15〜25cm離す)です。手首のコックが物理的に起きにくく、1m以内の安定に寄与しやすい傾向があります。フェースの開閉が大きい方はアームロック、右手の押し込みが強い方はクローグリップも選択肢です。どの握りが合うかは個人差が大きいので、練習グリーンで比較してみてください。
中尺に変えるとロングパットの距離感が合わなくなりませんか?
その傾向はあります。ヘッドが重く振り幅が小さくなるため、通常尺の感覚がそのまま使えません。導入後は練習グリーンで1m・2m・3m・5m・8mの振り幅を測り直す作業(キャリブレーション)が必要です。この工程を省くと3パットが増えるケースが多いので、切り替えは練習時間を確保できる時期に行うことをおすすめします。
アームロックはアンカリング違反になりませんか?
グリップを前腕に「沿わせる」だけであれば違反にはあたりません。ただし前腕を胸や腹に押し付けて支点を作る動きは固定と判断されるリスクがあります。腕とシャフトの関係は保ちつつ、体幹への押し当てはしないという線引きを守ってください。判断に迷う場合は競技前に確認するのが確実です。
100切りを目指すレベルでも中尺は有効ですか?
スコア100前後でパット数が33〜36打、特に1m前後のショートパットを1ラウンドに3回以上外している方には有効な選択肢になり得ます。一方、110台でグリーンに乗るまでの打数が多い場合は、アプローチやティーショットの改善のほうが打数削減効果が大きいケースが多いです。自分のスコアカードでパット数の内訳を確認してから判断してください。
中尺パターに慣れるまでどのくらいかかりますか?
個人差が大きく一概には言えませんが、編集部で試した限りではフェース面の安定に2〜3週間、距離感の再構築にさらに1か月程度を要しました。体格やこれまでのストロークの癖によって前後します。競技シーズン直前の切り替えは避け、オフシーズンなど練習量を確保できる時期に試すのが現実的です。

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まとめ|中尺パターは「支点を体幹に置き換える道具」

中尺パターはアンカリング禁止後も合法であり、手先の余計な動きを減らしたい方には有力な選択肢です。ただし、グリップエンドを体に固定できない前提で、支点を胸骨中央に置き替え、肩と胸郭の回転で振るという型を新たに作る必要があります。道具を替えただけでパット数が減るわけではなく、長さ・重量・ロフト角のスペック調整と、振り幅の再構築という2つの作業が伴います。

特に重要なのは、自分がどのミスを消したいのかを先に明確にすることです。1m以内の手の動きを止めたいならスプリットハンドやクロスハンドとの組み合わせ、フェースの開閉を抑えたいならアームロックや大型マレット。逆にロングパットの距離感に不満がある場合は、中尺よりも通常尺の重ヘッドモデルの見直しが合理的なケースもあります。

この記事のまとめ

・中尺パターは36〜44インチ、売れ筋は38〜41インチ。ヘッド重量350〜400gが標準的

・アンカリング禁止で変わったのは「体に固定できない」点。道具自体は合法

・グリップエンドは腹部の手前7〜10cm。ストローク中も隙間を維持する

・支点は胸骨中央、動くのは肩と胸郭。手首と肘は角度を変えない

・グリップはスプリットハンド/クロスハンド/クロー/アームロック/通常の5系統から選ぶ

・振り幅は左右対称、テンポ1対1。メトロノーム毎分76〜80が目安

・100台でショートパットのミスが多い層は導入優先度が高め。110台はアプローチ優先

・導入後は1m〜8mの振り幅キャリブレーションが必須工程

・合わない場合は長さを1インチ短くするか通常尺の重ヘッドで代替を検討

パットはスコアの約4割を占めるとされる領域です。だからこそ、道具選びは慎重に、そして替えたあとの練習設計まで含めて考える価値があります。個人差はありますが、この記事のチェックポイントを一つずつ確認していけば、自分に中尺が合うかどうかの判断材料は揃うはずです。ゴルフハック編集部としては、まずはショップの試打グリーンで38インチと40インチを打ち比べ、グリップエンドの隙間が維持できるかを確認することから始めることをおすすめします。

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