ドローボールが打てると何が変わるのか|コースマネジメントへの影響
「ドライバーのスライスがなかなか直らない」「もっとボールを右から曲げて攻めたい」——そういった悩みを抱えているアマチュアゴルファーは少なくありません。ドローボールは適切なボール位置とグリップ設定を組み合わせることで、多くのゴルファーが習得しやすい球筋のひとつです。この記事では、ドローボールのメカニズムから始まり、ボール位置・グリップの具体的な設定方法、スコア帯別の実践ポイントまでを体系的に解説します。個人差やスイングタイプによって結果は変わりますが、理屈を理解したうえで練習に取り組むと、上達のヒントが見つかりやすくなります。
ドローボールがスコアに与えるメリット
ドローボールとは、右打ちゴルファーの場合に右から左へ緩やかに曲がる球筋のことを指します。スライスと比較すると、サイドスピン量が少なく、打ち出し角が低めになりやすいため、ランが出やすい傾向があります。
具体的なメリットとしては次のような点が挙げられます。
・フェアウェイ左サイドのドッグレッグホールを攻略しやすくなる
・ピンが左サイドに切られているグリーンにアプローチしやすくなる
・スライス系の球筋よりランが出やすく、飛距離アップにつながる傾向がある
・風の状況(左から右の横風)に対してボールが安定しやすい
ただし、ドローボールが「万能な球筋」というわけではありません。右から左に曲がる分、左サイドに障害物がある場面ではリスクが高くなることも理解しておく必要があります。打ち分けができてこそ、コース戦略の幅が広がるものです。
補足・参考
弾道測定器(トラックマン・フライトスコープ等)のデータによると、ドローボールはフェード系の球筋と比較してバックスピン量が少なくなりやすく、ランが10〜20ヤード程度多く出る傾向が報告されています。ただし、スイング速度やクラブセッティングによって数値は大きく変わります。
ドローボールのメカニズム|3つの物理的条件を理解する
ドローボールを打つためには、まずボールがなぜ右から左に曲がるのかという物理的なメカニズムを把握しておくことが大切です。感覚だけで練習を重ねるよりも、理屈を理解してから練習すると修正のサイクルが速くなりやすいという傾向があります。
条件①:フェース向きとスイング軌道の関係
ボールの曲がり方を決定する最大の要因は「フェース向き」と「スイング軌道(スイングパス)」の差です。ギア効果の影響もありますが、現代のボール弾道理論では以下の関係が基本的な理解として広まっています。
| フェース向き(インパクト時) | スイング軌道 | 結果の球筋 |
|---|---|---|
| スクエア(目標方向) | インサイドアウト | プッシュアウト〜ドロー |
| 少し閉じている | インサイドアウト | ドロー〜強いドロー |
| 少し開いている | アウトサイドイン | フェード〜スライス |
| スクエア | アウトサイドイン | プルアウト〜フェード |
ドローボールを打つにはインサイドアウト軌道とやや閉じたフェース面の組み合わせが必要になります。「閉じすぎると引っ掛けになる」「軌道だけを変えてもプッシュアウトになる」という点を押さえておくと、練習の方向性が定まりやすくなります。
条件②:インパクトゾーンでのフェースの返り方
フェースを意図的に「返す」動作は、多くのアマチュアゴルファーが過剰に意識しすぎる傾向があります。手首を強引にこねるようなローリングでは、タイミングがずれると引っ掛けや大フックになりやすく、安定性が低くなりがちです。
理想的なフェースの返りは体の回転と腕の自然な連動によってもたらされるものであり、手先の操作で作り出すものではないという考え方が主流です。後述するグリップとボール位置の調整をうまく使うことで、体の動きに自然なフェースの返りを組み込みやすくなります。
条件③:ボールの入射角(アタックアングル)
ドライバーでドローを打つ場合、わずかにアッパーブロー気味に入ることで、バックスピンを適度に抑えつつドロー回転を作りやすくなる傾向があります。アイアンでドローを打つ場合はダウンブロー軌道の中でもインサイドアウト成分を意識することが必要になります。
編集部の一言
練習場で弾道を見ていると、「軌道がインサイドアウトなのにボールが左に飛ぶ」というケースに遭遇することがあります。これはフェースが閉じすぎているケースが多く、軌道よりもフェース向きの調整が先決なことを示しています。まずはフェース向きの確認から始めるのが近道だと感じています。
ボール位置の設定|4つのケース別セッティング
ドローボールを打つうえで、ボール位置の設定は軌道とフェース向きに直接影響する重要な要素です。ボール位置をほんの少し変えるだけで、打ち出し方向やフェースの向きが変わりやすくなるという特徴があります。
ケース①:ドライバーでドローを打つボール位置
ドライバーのドローボールにおけるボール位置の基本は、スタンス幅の中でやや右足寄り(一般的なドライバーセットアップより1〜2ボール程度右)に置く方法です。
この設定による効果は以下のとおりです。
・インパクト時点でクラブヘッドがスイングの最下点を過ぎており、インサイドアウト成分が残りやすい
・フェースがわずかに閉じる(左を向く)タイミングでボールをとらえやすくなる
・アッパーブロー軌道になりやすく、バックスピン抑制につながる傾向がある
注意
ボール位置を右に寄せすぎると、ダウンブローが強くなりすぎてボールが上がらない、あるいは極端なプッシュアウトになるケースがあります。1〜2ボール程度の調整から始めて、弾道を確認しながら少しずつ調整するのが安全です。
ケース②:フェアウェイウッド・ユーティリティでドローを打つボール位置
フェアウェイウッドやユーティリティでのドローは、ボールを通常より1ボール程度右寄りに置く設定がよく使われます。これによって、ドライバーと同様にインサイドアウト軌道を作りやすくなります。
フェアウェイウッドは地面からのショットのため、ダウンブロー成分がゼロに近いレベルスイングが理想です。ボールを右に置きすぎるとダウンブローが強くなり、低いライナー系の弾道になることがあるため注意が必要です。
ケース③:ミドルアイアンでドローを打つボール位置
6番〜7番アイアン程度のミドルアイアンでドローを打つ場合、スタンスのセンターよりわずかに右(ボール半個から1個分)に置く設定が一般的です。
ミドルアイアンはダウンブロー軌道が基本なので、ボールを右に置きすぎるとダフリやすくなる点に注意してください。インサイドアウト軌道はグリップとスタンスの向きによって作ることを優先し、ボール位置の変化は最小限にとどめることが多いです。
ケース④:ショートアイアン・ウェッジでドローを打つボール位置
ショートアイアンやウェッジでドローを打つ場面は、グリーン周りのアプローチでピンを回り込むようにボールを寄せたいときや、低く抑えながら左に曲げたいときなどに発生します。
この場合、ボール位置はほぼスタンスセンターを基準に、クローズドスタンスとグリップの変更によって球筋を作るアプローチが取られることが多いです。ボール位置そのものの変化よりも、スタンスの向きとグリップが主役になります。
| クラブ | 基本ボール位置(ドロー設定) | ポイント |
|---|---|---|
| ドライバー | 左かかと線より1〜2ボール右 | アッパーブロー成分を残す |
| フェアウェイウッド | 通常より1ボール右寄り | レベルスイング維持が重要 |
| ユーティリティ | 通常より1ボール右寄り | スタンス角度との組み合わせが鍵 |
| ミドルアイアン(6〜7番) | センターよりボール半個〜1個右 | ダフリに注意・最小限の調整 |
| ショートアイアン・ウェッジ | ほぼセンター | グリップ・スタンスで球筋を作る |
グリップ設定の基本|ストロンググリップとスクエアグリップの使い分け
ドローボールを打つためのグリップ設定は、ボール位置と合わせて考えることで相乗効果が生まれやすい要素です。グリップを変えることによってフェースの返り方や、インパクト時のフェース向きが変化します。
ストロンググリップとは何か
ストロンググリップとは、グリップしたときに左手のナックル(こぶし)が2〜3個以上見える状態のグリップです。ストロンググリップの特徴として、インパクトに向かってフェースが閉じやすくなる(左を向きやすくなる)という性質があります。
この性質を活かすことで、体の回転に伴って自然にドロー回転がかかりやすくなるというメリットがあります。世界的なプロゴルファーの中にも、ストロンググリップを採用している選手が多く見られます。
ストロンググリップのチェックポイント
・アドレス時に左手の甲が空に向くくらい右に回す
・右手も同様にやや右回りに握る
・Vラインが右肩方向を向いている
・グリップ圧は全体を通じて均一(特定の指に力が入らない)
スクエアグリップとの違いと選択基準
スクエアグリップは左手ナックルが1〜2個見える状態で、フェースが自然な状態に保たれやすいグリップです。スクエアグリップでドローを打つ場合、グリップの変更よりも軌道とボール位置の調整に頼る比重が高くなります。
| グリップタイプ | ナックル可視数(左手) | ドローとの相性 | デメリット |
|---|---|---|---|
| ウィークグリップ | 0〜1個 | △ フェードが出やすい | 意識的なフェース調整が必要 |
| スクエアグリップ | 1〜2個 | ○ 軌道調整でドロー可 | 手首の操作に頼りやすい |
| ストロンググリップ | 2〜3個以上 | ◎ 自然にドローが出やすい | 過度だと引っ掛けのリスク |
編集部の一言
ストロンググリップへの変更は、最初の数球で引っ掛けが出やすくなることが多いです。これはフェースが今まで以上に閉じるため、スイング軌道との整合が取れていないためです。グリップを変えたらしばらくは練習場で50〜100球程度で慣らしてから、コースに持ち込む方が安心です。
右手グリップの強さとドローの関係
多くのアマチュアゴルファーは右手を強く握りすぎる傾向があります。右手の握り込みが強いと、インパクトでフェースがかぶりすぎる(左に向きすぎる)か、逆に右手で押すように当たってフェースが開くかのどちらかになりやすいです。
ドローボールのグリップ調整では、右手の握りは指先でソフトに添えるイメージが基本です。右手の親指と人差し指で作るVラインが右肩方向を向く程度のストロンググリップにすることで、フェースの返りに程よい自然さが生まれやすくなります。
スタンスとアドレスの調整|ドローを引き出す5つのセットアップ
ボール位置とグリップの調整に加えて、スタンスとアドレスの設定もドローボールの安定性を高めるうえで重要な役割を果たします。
①クローズドスタンス(スタンスを右に向ける)
右かかとを後ろに引き、スタンスラインを目標より右に向ける「クローズドスタンス」は、インサイドアウト軌道を作りやすくする定番のセットアップです。
スタンスを閉じることで、テークバックが自然とインサイドに引きやすくなり、ダウンスイングもインサイドからクラブが下りてきやすくなります。ただし、スタンスを閉じすぎると右への体重移動が制限されてしまい、スイング全体のパワーが失われやすいという側面もあります。目安として右かかとを5〜10センチ程度後ろに引く程度から試してみることをお勧めします。
②フェースを目標に向けたままスタンスを閉じる
クローズドスタンスのポイントは、フェースは目標(ピン方向)に向けたまま、スタンスラインだけを右に向けることです。フェースとスタンスのズレを意図的に作ることで、インサイドアウト軌道とスクエアなフェース向きの組み合わせが生まれやすくなります。
③右肩を下げたアドレス
右打ちの場合、右手が下になることで自然と右肩が左肩より下がります。この右肩が下がったアドレスは、インサイドからクラブを下ろすための土台となります。右肩が上がっているとアウトサイドインのパスになりやすく、スライスが出やすくなります。
④重心配分(右足体重気味で構える)
ドライバーでドローを打つ場合、アドレス時の体重配分を右足に6割程度乗せる意識が役立つことがあります。右足体重で構えることによって、スイングのボトムが右足寄りになり、インパクトでのアッパーブロー成分が作りやすくなります。
注意
アイアンで右足体重のまま打ち込むと、クラブの入射角が浅くなりすぎてトップやプッシュアウトになりやすくなります。右足体重の設定はドライバーを中心に活用し、アイアンでは均等体重を基本にする方が安定しやすいです。
⑤ボール内側を見るアドレスの視点
アドレス時にボールの内側(手前側)に視点を置く意識を持つことで、インサイドからクラブを入れるイメージが作りやすくなるという声が多いです。外側から押し込む軌道になりやすい方に特に有効とされる感覚的なキューです。
スコア帯別のドロー習得アプローチ|110台・100台・90台
ドローボールの習得方法は、現在のスコアや技術レベルによってアプローチが変わります。同じ「ドローを打つ」という目標でも、優先すべき課題が異なります。
110台のゴルファーへ|まず引っ掛けとスライスの違いを理解する
スコア110台のゴルファーにとって、ドローボールの習得より先に取り組むべきことは「意図しないスライスを減らすこと」です。スライスを直す過程でフェースの向きやスイング軌道が整い、自然とドロー方向に曲がる球筋が出始めることがあります。
110台向け優先事項
・グリップをウィークからニュートラル(スクエア)またはストロングに変更する
・アウトサイドインのスイング軌道を把握し、インサイドアウトに近づける練習をする
・ボール位置を1ボール分右に動かしてみて弾道の変化を確認する
・ドライバーよりも7番アイアン等の扱いやすいクラブで球筋を試す
100台のゴルファーへ|ドロー・ストレートを使い分けるフェース管理
スコア100〜109のゴルファーは、ある程度スイングが安定しはじめた段階です。この層ではドローとストレートの打ち分けを意識することでコース戦略の幅が広がりやすい段階に入っています。
100台向け練習アプローチ
・ストロンググリップを採用して50球程度の練習でフィードバックを確認する
・クローズドスタンスを設定してインサイドアウト軌道の感覚を作る
・フェアウェイウッドやユーティリティでドロー設定を試してラウンドに活かす
・ドッグレッグ左のホールでドローを選択肢に入れるコース戦略を立てる
90台のゴルファーへ|意図的な打ち分けとショット設計
スコア90〜99のゴルファーになると、コース上でのショット設計が求められます。ドローとフェードを意図的に打ち分けられることで、ピンポジションやコースの形状に合わせた攻め方が可能になります。
90台向けドロー習得の深化ポイント
・番手ごとにドロー設定のボール位置とグリップを把握して体に染み込ませる
・ラウンド前半と後半で球筋の傾向を記録し、疲労による変化を把握する
・ドローを打つ場面とフェードを打つ場面を事前にコース戦略として決めておく
・練習場でドロー→フェード→ドローと交互に打つ切り替え練習を取り入れる
| スコア帯 | ドロー習得の優先課題 | 練習の重点 | コース活用場面 |
|---|---|---|---|
| 110台 | スライスの解消・グリップ変更 | 軌道の修正・フェース向き把握 | スライスが減ればOK |
| 100〜109 | ドロー・ストレートの打ち分け入門 | クローズドスタンスとストロンググリップの組み合わせ | ドッグレッグ左・横風の場面 |
| 90〜99 | 意図的な球筋設計・ショットパターン増加 | 番手別の打ち分け・ラウンド記録 | ピンポジション別攻め方の選択 |
練習場でできるドロー習得ドリル|3つの実践的な方法
理屈を理解したら、次は練習場での実践です。ここでは多くのアマチュアゴルファーが取り組みやすいドリルを3つ紹介します。いずれも特別な器具を必要としないシンプルな方法です。
ドリル①:クラブを地面に置いてインサイドアウト軌道を体感する
ボールを置く位置の外側(目標方向)にシャフトを1本地面に置き、その外側を避けながらスイングするドリルです。シャフトの外側を叩かずにクラブを振れれば、アウトサイドインの軌道が修正されている証拠になります。
コツとしては、テークバック時からすでにシャフトの内側を意識してクラブを引くことが大切です。ダウンスイングだけを修正しようとするより、テークバックからの軌道全体をインサイドに通す意識の方が効果が出やすい傾向があります。
ドリル②:ハーフスイングでドロー回転を確認する
フルスイングでドローを打とうとすると、体の動きが多くなり問題点が見えにくくなることがあります。ハーフスイング(テークバックで手が腰の高さ程度)で打つ練習では、フェースの向きとスイング軌道の関係を純粋に確認しやすくなります。
目安として7番アイアンを使い、50〜70ヤード程度を意識したハーフスイングで10〜20球打ちます。ここでドロー系の弾道が出るようになったら、少しずつスイングの振り幅を大きくしていきます。
ドリル③:右斜め前に打ち出すイメージで振る
ドローを打つ際の感覚的なキューとして、「目標より少し右(5〜10ヤード右)に打ち出し、そこから左に曲げる」というイメージを持つ方法があります。このイメージを持つことで、自然とインサイドアウトの軌道が作られやすくなるという声が多いです。
最初から「左に曲げよう」と思うとフェースを強引にこねる動作が入りやすくなりますが、「右に打ち出して、曲がりを待つ」というイメージにすると体の動きが素直になりやすいです。
補足・参考
練習場でドリルを行う際は、できれば弾道が確認できる環境(ゴルフネット付き練習場・弾道測定器設置あり)だとフィードバックが明確になります。肉眼での弾道確認だけでは判断が難しい場面もあるため、スマートフォンで動画を撮影して後から確認する方法もおすすめです。
引っ掛け・チーピンにならないための注意点|ドロー設定のリスク管理
ドローボールの設定を強めすぎると、引っ掛けやチーピンと呼ばれる低くて左に大きく飛ぶミスショットが出やすくなります。ドロー設定はあくまで「適度な曲がり幅」を目標にすることが重要で、過剰なセッティングはスコアに悪影響を及ぼす可能性があります。
引っ掛け・チーピンが出るときのチェックリスト
・グリップがストロングになりすぎていないか(左手ナックルが4個以上見える状態)
・スタンスを閉じすぎていないか(体が開かないまま打つことで左へのミスが出やすい)
・体の回転が止まってフェースだけが返っていないか
・ボール位置が右すぎてインパクト前にフェースが閉じ切っていないか
・右手でこねるような手首の動きが入っていないか
ドローとチーピンの境界線
ドローとチーピンは表面上の動作が似ているため、境界線を理解しておくことが大切です。
ドローは右に打ち出してから緩やかに左に曲がってくる球筋であり、弾道高さも適度にあります。一方でチーピンは最初から低く左に飛び出して、さらに左に曲がっていく球筋です。フェースが閉じるタイミングが早すぎるか、フェース向きが左すぎるかのどちらかが原因であることが多いです。
もし引っ掛けが連発するようであれば、一時的にグリップをニュートラル方向に戻すか、ボール位置を1ボール分左に戻すことでリセットを図るのが安全です。
注意
ラウンド中に引っ掛けが頻発した場合、その場でグリップやボール位置を大幅に変更することはリスクが伴います。ラウンド中の応急処置としては「体をしっかり回す」「右手の力を抜く」という2点に絞ったアプローチの方が安全なことが多いです。セッティングの大幅変更は練習場で確認してからコースへ持ち込むことをお勧めします。
コースでの打ち分け戦略|場面別ドロー活用シナリオ
練習場でドローが打てるようになったら、次はコース上での活用シナリオを考えましょう。どの場面でドローを選択し、どの場面でストレートやフェードを選択するかを事前に決めておくことがコースマネジメントの基本です。
場面①:ドッグレッグ左のホール
左に曲がる形状のドッグレッグホールでは、ドローボールとコースの形状が合致します。ティーショットで右サイドを狙いながら左に曲げることで、フェアウェイをより多く使えるポジションへの打ち込みが期待できます。ただし、コーナー付近の木や障害物の高さを確認してから打ち出し方向を決める必要があります。
場面②:左からの横風が強い場面
左から右への向かい風(ゴルファーから見て左から吹いてくる風)では、ドローボールは風の影響を受けにくくなる傾向があります。左から右に曲がるスライス系は風に流されてさらに右に行きやすいため、横風下でのドローはリスク低減につながりやすい選択肢になることがあります。
場面③:グリーン左サイドにピンがある場面
グリーンの左サイドにピンが切られている場合、ドローボールを使うとピンに寄せやすくなることがあります。右サイドからボールを左に曲げてくることで、グリーン右から左への転がりを利用した攻め方が可能になります。
場面④:距離を稼ぎたいパー5の第2打
パー5の第2打で残り距離を少しでも縮めたい場面でも、ドローボールは選択肢になります。フェアウェイウッドやユーティリティでドロー設定にすることで、ランが増える分だけ第3打のアドバンテージが生まれる可能性があります。
編集部の一言
ドローを打つ場面とフェードを打つ場面を「ティーイングエリアで考える」のではなく、ラウンド前のコースガイドやGPSナビでホールを確認しながら事前に戦略を立てておくと、プレー中の迷いが減りやすくなります。コース戦略は事前準備の質がスコアに直結する部分だと感じています。
よくある質問
ドローボールって初心者でも打てますか?
個人差はありますが、スライスを打っていたゴルファーがグリップをストロングに変えてボール位置を少し右に調整するだけで、ドロー方向に変化する球筋が出始めることがあります。完全なドローを狙うよりも「スライスからストレートへ」を最初の目標にすると取り組みやすい傾向があります。スコア110台のゴルファーであれば、まずスライスの解消を目指す過程でドロー方向の球筋が自然に出始めることが多いです。
ストロンググリップにしたら引っ掛けが出てしまいます。どうしたらいいですか?
引っ掛けが出る場合、フェースが早い段階で閉じすぎているか、体の回転が止まってフェースだけが返っている可能性があります。対処法として①体の回転を止めずにフォロースルーまで振り切る②右手の力を抜く③ハーフスイングから練習して徐々に振り幅を広げるという3ステップが有効とされています。また、グリップをわずかにニュートラル方向に戻す(左手ナックルを2個程度に戻す)だけで引っ掛けが解消することもあります。
ドローとフックの違いは何ですか?
ドローは右打ちの場合に右から左へ緩やかに曲がる球筋で、コントロールされた意図的な弾道です。フックはドローよりも曲がり幅が大きく、意図しないほど左に曲がってしまう球筋を指すことが多いです。フックはチーピン(低くて急激に左に曲がる)と混同されることもあります。ドローは「狙ったドロー」、フックは「曲がりすぎた不本意な球筋」というニュアンスで使い分けられることが一般的です。
アイアンでドローを打つときとドライバーでドローを打つときで、設定は変えた方がいいですか?
はい、基本的に変わる部分があります。ドライバーはアッパーブロー気味に当てることが多いため、ボール位置を左かかと線付近から少し右に調整します。一方でアイアン(特にミドルアイアン以下)はダウンブロー軌道が基本なため、ボール位置の変化はわずか(ボール半個〜1個程度)にとどめ、グリップとスタンス角度でドロー設定を作る比重が高くなります。番手が短くなるほどボール位置の変化よりスタンスとグリップの調整が主役になりやすいです。
ドローボールを打つとなぜ飛距離が伸びると言われるのですか?
ドローボールはフェード系の球筋と比較してバックスピン量が少なくなりやすく、打ち出し角が低めになる傾向があります。その結果、ランが増えやすいことが「飛距離が伸びる」という印象につながっていると考えられています。ただし、これは個人差やコース状況(フェアウェイの硬さ・傾斜など)によって大きく変わります。「ドローを打てば必ず飛ぶ」というわけではなく、スイングの安定性や適切なボール初速が伴って初めてランの恩恵が得られます。
ドローボールを打つ練習はどのくらいの頻度で行えばいいですか?
ドローボールの習得に必要な練習量は個人差が大きいため、明確な頻度の保証はできません。ただし、グリップやボール位置の変更は体が馴染むまでに継続的な確認が必要なため、少なくとも2〜3週間は同じ設定で練習を続けることをお勧めします。1回の練習で設定を変えすぎると、何が効いているのかが分からなくなりやすいです。変更する要素を1つずつ試して弾道変化を確認するのが効率的な練習アプローチです。
スライス持ちのゴルファーがドローを目指すことはリスクがありますか?
スライスからドローへの変更は、一時的に引っ掛けやプッシュアウトといった新たなミスショットが増えるリスクがあります。特にコースに出ながらセッティングを変更すると、スコアが一時的に悪化することもあります。スライスを持つゴルファーがドローを目指す場合、まずは「スライスをストレートに近づける」という段階的な目標設定が安全です。グリップの変更から始め、練習場で方向性が安定したらコースへ持ち込むという順序を踏む方が、リスクを抑えやすい傾向があります。
まとめ|ドローボールはボール位置とグリップの組み合わせで作る
この記事のまとめ
・ドローボールはインサイドアウト軌道とやや閉じたフェース向きの組み合わせで生まれる
・ボール位置は番手によって調整幅が異なり、ドライバーは1〜2ボール右・アイアンは最小限の変化が目安
・グリップはストロンググリップ(左手ナックル2〜3個表示)がドローと相性がよい傾向がある
・クローズドスタンスとフェースを目標方向に維持する組み合わせがインサイドアウト軌道を作りやすい
・スコア帯によって優先課題が異なり、110台はスライス解消、100台は打ち分け入門、90台は意図的な球筋設計が重点
・引っ掛け・チーピンが出たら、グリップとボール位置を少しずつニュートラル方向に戻してリセットする
・コース上でのドロー活用場面を事前に決めておくことがスコアメイクにつながりやすい
ドローボールの打ち分けは、グリップとボール位置というシンプルな設定の組み合わせから始められます。難しく考えすぎずに、まずは1つの変更(グリップをやや右に回す)だけを試してみて、弾道の変化を観察することが第一歩になります。
理屈を理解したうえで練習と検証を繰り返すことで、自分のスイングタイプに合ったドロー設定が見えてくるはずです。ゴルフハック編集部では引き続き、実利的なスイング改善情報をお届けしていきます。

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